天峰の決意

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「今週の土曜日に練習試合があるから来てね♪」 天峰は昨夜見たメールを今朝も確認し、ケータイを閉じた。 『よし…』 服装はこんなものか。学校に行く訳じゃないから私服で良いだろう。 目的地は卓球場。 夏希の期待に少しでも応えたい。そう思っての行動だった。 それだけを考えて卓球場へ向かう。気が付けば卓球場に着いていた。 『…』 目を閉じて耳を済ます。 (流石にここから音は聞こえないか) パチッと目を開いた天峰は卓球場の扉を開けた。 扉を開けると聞こえてくるピン球の音。 しかし、音だけなら平気だった。 入ってすぐ右に曲がる。 視界に地下へ続く階段と綺麗に並んだ卓球台が飛び込んで来る。 こないだ来た時と違うのは人の数。 見た感じ3~4校は来ているだろう。 見ても平気。 これも夏希の期待に応えたいと思っているからだろうか。 たくさん並んでいる卓球台の中に知った姿。 (あれは…カゲ?) 『よう!』 天峰が火柱を見つけたのと同時に、突然後ろからポンと背中を叩かれた。 びっくりして振り返ると夏希がいた。 『来てくれたんだ』 『あ、あぁ』 笑顔でニコニコ接する夏希に、天峰はあたふたしながら答えた。 『待っててね。今、白玉くん呼んでくるから』 『あ、いや。いいよ』 『なんで?』 『大人しく一人で見たいけん』 そう言って手刷りに寄りかかる天峰。 『ふ~ん…じゃあアタシも』 夏希も天峰の隣で真似をして寄りかかった。 『…』 会話が思い浮かばない。 『ユニフォームさ』 『ん?』 天峰が咄嗟に出した話題は青朋のユニフォーム。 『シンプルやね』 そう言って火柱の後ろ姿を見た。 青朋のユニフォームは白がベース。 両方の肩から袖へ赤と黄色の2本のライン。背中にはダイヤモンド型の青いライン。 ゼッケンはその中心に付けられている。 火柱を前から見ることは不可能だったが、隣で戦っている青い髪の男は正面から見ることができた。 ユニフォームの腹側にも背中同様青いダイヤモンド型のラインが入っていた。 『シンプルでもアタシは気に入ってるよ♪』 夏希は上のジャージのファスナーを開けて、ユニフォームを天峰に見せた。 『ユニフォーム貰ったんだ』 『うん!…浩二の分もちゃんとあるからね』 天峰は暫く間を開けた後『ありがとう』と答えた。 天峰(ありがとう…か)
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