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大学の研究棟にある並木道―…。
昼間は陽射しが暖かく、ゼミの研修生たちにも人気の場所である。
その道を歩く二つの影が見えた。
ヘレン・マクスウェル
大学の教授であるバートンの助手を務める
知的美人な女性だ。
彼女は一年前のCLOCK TOWER事件の生存者であるジェニファーを、自ら志願して引き取った。
隣を歩いているのは知人のゴッツ警部補。面持ちこそは厳ついが、根はいい人。
「―…被害者は全員刃物で体を切断されている」
ゴッツ警部補が口を開く。会話の内容は最近起きた猟奇殺人事件のことらしい。
「刃物?」
ヘレンはゴッツに尋ねる。
「そう、ちょうどドデカい鋏のようなものでね」
鋏――…。
「やっぱり、ジェニファーの言うシザーマンが…」
ヘレンがそう言いかけるとゴッツ警部補が遮るように口を開いた。
「おいおい。冗談はよしてくれセンセー」
ゴッツ警部補はハハッと笑うと右手で自身のこめかみを押さえた。
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