ヘレン・マクスウェル

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ゴッツはそこらにいるインテリ刑事たちより遥かに優れた刑事だ。警察という仕事を体で分かっている。 しかし、少々頭が堅い。 自分の目で見たもの以外は信じようとはしない。 超常現象の類いも「何かしらのトリックがあるもんだ」と一切否定している。 そんな人間に不死身の怪物なんて話をしたところで、鼻で笑われるのが関の山だ(現実になってしまったが)。 「あ、いけない!この後ジェニファーが来るのよ」 ヘレンは腕時計に目を落として言った。 「教授のカウンセリングか?」 「そう、今日は催眠療法をするんですって」 ヘレンが不服そうに腕を組みながら頬を膨らました。 「嬢ちゃんも大変だな」 「そういうわけだから、ごめんなさい!私もう行くわね。また何かあったら教えてちょうだい」 「あぁ、連絡する」 ヘレンはゴッツ警部補に軽く会釈すると、大学の研究室へ駆けて行った。
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