CLOCK TOWER２～ﾍﾚﾝ編～

ｻﾐｭｴﾙ･ﾊﾞｰﾄﾝ

まったく…。

ﾊﾞｰﾄﾝは助手の悪態にため息を洩らした。

改めてｶｳﾝｾﾘﾝｸﾞﾙｰﾑを見回すと、ｶｳﾝｾﾘﾝｸﾞ用の簡易ﾍﾞｯﾄﾞにｶｳﾝｾﾘﾝｸﾞﾌｧｲﾙなどを収納する棚、それに事務用机。

その事務用机に異質なものが飾ってある。

ｼｻﾞｰﾏﾝの凶器である巨大な鋏だ。
ｼﾞｪﾆﾌｧｰの話を元に製造したﾚﾌﾟﾘｶだが殺傷能力はあるだろう。

ｼｻﾞｰﾏﾝはこの巨大な鋏で被害者たちの体を切り刻んだ。

ﾊﾞｰﾄﾝは巨大な鋏を見て思わず身震いをした。
無論、恐怖におののいてのことではない。

ｼｻﾞｰﾏﾝの思想を、狂気を、犯罪心理を、ﾊﾞｰﾄﾝは理解したいと思った。