サミュエル・バートン

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カウンセリングルームを出ると研究室がある。最近では犯罪心理学の研究が主だ。 スタッフもまだ何名か残っているようだ。 「あ、教授。何かあったんですか?ヘレンさんすごい剣幕で出ていきましたけど…」 彼女はベス。スタッフの一人だ。 「……」 バートンはベスの質問には答えなかった。 「そういえば、ヘレンさんとジェニファーって本当の姉妹みたいになってきましたね。一緒に暮らしてると情も移ってくるのかしら?」 「研究に情は無用だよ。ジェニファーはあくまでも研究対象なんだ」 「は、はぁ…そうですね…」 バートンの言葉に、ベスは嫌悪を感じた。 バートンは自分のデスクを見て、机の上にある魔像を手に取る。ひんやりとした感触、クロックタワー事件の現場で押収された証拠品の一つだ。 これには何か秘密が隠されているような気がする。 一度鑑定してもらった方がいいだろう。
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