182人が本棚に入れています
本棚に追加
カウンセリングルームを出ると研究室がある。最近では犯罪心理学の研究が主だ。
スタッフもまだ何名か残っているようだ。
「あ、教授。何かあったんですか?ヘレンさんすごい剣幕で出ていきましたけど…」
彼女はベス。スタッフの一人だ。
「……」
バートンはベスの質問には答えなかった。
「そういえば、ヘレンさんとジェニファーって本当の姉妹みたいになってきましたね。一緒に暮らしてると情も移ってくるのかしら?」
「研究に情は無用だよ。ジェニファーはあくまでも研究対象なんだ」
「は、はぁ…そうですね…」
バートンの言葉に、ベスは嫌悪を感じた。
バートンは自分のデスクを見て、机の上にある魔像を手に取る。ひんやりとした感触、クロックタワー事件の現場で押収された証拠品の一つだ。
これには何か秘密が隠されているような気がする。
一度鑑定してもらった方がいいだろう。
最初のコメントを投稿しよう!