サミュエル・バートン

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「先生、新聞社の記者が来てますよ。取材の約束があったんでしょう?やっぱりクロックタワー事件の取材ですか?」 彼はダニー。スタッフの一人で今一つ間の抜けている男だ。 「ふん、どうせ実在しないシザーマンとやらを新聞で扇情的に取り上げたいんだろう」 「シザーマンか…実在していれば面白いんですがねぇ…」 ダニーの軽はずみな発言にバートンは目を光らせた。 「あ、いや…そのぉ…冗談です」 ダニーは慌ててその場を繕った。 「先生っ、あまり待たせちゃ悪いですよ」 「…そうだな」 ダニーはほっと胸をなで下ろしながらバートンが部屋を出るのを見送った。
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