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セイラは魔物をくわえたまま首を上に向けて、口の中に収めてしまったのだ。
「やっ、止めてくれ!」
セイラの口の中からには、魔物のこもったような声が聞こえる。必死に暴れているのか、口の中が一部だけ膨らんだり戻ったりしていたが…
「お願いだ!ここまで生きてくるのも必死だったんだ!力を手に入れなければ、生き…」
『ゴックン…』
途中で魔物の悲痛な叫びが聞こえなくなったかと思うと、セイラの喉がプクリと膨らみ、腹の方に向かっていき、やがて見えなくなった。
蒼空はセイラの行動をただ唖然と見ていた…。
「ふうっ…。ん?蒼空、どうかしたか?」
「え?別に!」
セイラが聞いてきたが、蒼空はごまかした。まだ、セイラのお腹は動いている。
「ならいいが…。じゃあ、怪我を治すぞ。蒼空も同化したことで一度は治ったが、また怪我したせいで私と同じ所を怪我している。
早くリランを召喚しろ。」
そうしてみんなの怪我を治し始めた。
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