0人が本棚に入れています
本棚に追加
「それで僕はみんなと一緒に遊べるんだね」
4枚の翼を持つ子供が嬉しそうに言った。
「さて、これで歴史の勉強は終わりっ。外で遊んでおいで」
子供たちははしゃぎながら外へ飛び出していった。
--
「…前から気になってたんですが、飛び方を教えてくれた少年はなんだったんですか?」
散らかった教室を片付けながら、助手の青年が尋ねてきた。
「その子が消えるときにね、一瞬だけど4枚の翼が見えたの。私より前に塔に住んでいた人じゃないかなぁ」
「無念の思いが…ってヤツですかね」
「私はね、空への強い想いが残っていたからだと思うの。あの窓からみる空は本当に綺麗だったもの…」
私はふと窓へと目を向けた。そよ風にカーテンが揺れ、優しい光が差し込んでいた。
+Fin+
最初のコメントを投稿しよう!