紫陽花

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紫陽花

 『判ってるんだ頭ん中では  おまえは秋になったら嫁に  行くんだ』    『でも会えない、電話も無いって  なったとき…嫌だったんだわ  …もう一人のアキラの  モノになるのが』    段々雨が強くなり  二人ともずぶ濡れになる    声も出ない  その場から動く事も出来ない    『好きだよ おまえが』    強い瞳を見る事も出来なくて  彼の後ろ 隣の家の  紫陽花を    ただ見つめていた  
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