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窓際で一人本を読む少女、天音凪砂(あまね なぎさ)。
窓から入ってくる風で、本がパラパラとめくれるのを見つめていると、女達の甲高い声が耳に入った。
「天音さん地味すぎなんだけどー」
「今時みつあみメガネとか超ウケる!」
「てか、古くなーい?」
朝から陰口になっていない陰口を言うギャルの集団。
そんな彼女達を横目で見て、あたしは小さくため息をついた。
……耳障り。
「なーぎさ!」
一人浮いてるあたしに声をかけてきたのは、椎名沙枝(しいなさえ)。幼なじみだ。
「先生の話はもういいんですか?」
「うん。適当に終わらせてきた」
笑みを浮かべた彼女を見ながら読みかけの本を机にしまった。
「……なんで椎名さんもあんな地味女といるんだろう」
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