1.秘密。

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  「天気いいねー」  私達は、入ってすぐにある日陰に座った。  青い空に浮かぶ太陽が眩しくて、目を細める。 「それで? ……何しに来たんだよ」  普段の敬語をやめ、教室では出さなかった本来の言葉遣いと態度に戻す。 「ん? 気分かな。あの性格の凪砂に慣れなくてさ」  沙枝はそう言いながら私の髪に手を伸ばし、髪ゴムを取った。  ゴムを取られたせいで、私の黒く長い髪の毛が風になびく。 「……ついでに」  それを見て、悪戯に笑った沙枝に伊達メガネを取られた。 「あーあ。誰かに見られたらどうするんだか」 「今の姿じゃ、誰も凪砂だって気付かないよ」 「……そうだな」  私が小さく笑った途端、「あー!!」っと沙枝が大声で叫んだ。  耳元で聞こえたその声に、ビクッとして顔をあげる。 「真中先生にも呼び出されてたんだ! ごめん凪砂! また後でね!」 「え? あぁ、うん」  私の返事を聞くと、沙枝は慌てた様子で屋上を出て行った。    ……ビックリした。
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