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1週間後
『はぁ~』
私は大きな溜め息をついていた。
『笑美~またため息ついてる。』
『だって~』
だって…
雅人くん…
思い出すと胸が熱くなる。
『だって~って仕方ないでしょう。雅人くんは来なかったんだし。』
ズバッと返すのは私の親友の木下由香。
サバサバしててハッキリいうけど凄く優しいこ。
でも私は…
雅人くんを信じたい…
『雅人くんはそんなひとじゃないもん。』
私は負けじと返す。
由香は呆れた顔をする。
『わからないよ。
確かに幼稚園の時の雅人君はそうだったかもだけど。
例え約束をしたとしてもどこにいったかもわからない。連絡もないまま10年後の約束覚えてるかわからないよ。もう忘れてるんじゃない。』
『由香~』
由香は雅人くんのことを知る唯一の存在でもあるわけで。
私はあの日雅人くんからもらった指輪をネクレスにしている。
それを触りながらまたため息をつく。
いや…勝手に出てしまう。
そんな私を見て由香は言った。
『笑美さ、そろそろ次の恋したら?
たまに、告白されたりしてるし…モテるんだし。もったいないよ。』
『…』
次の恋か…。
そろそろしなきゃいけないかな。本当はどこかで来ないんじゃないかって思ってた…。
でも信じてみたかった。
私の初恋を、
約束を。
…
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