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廊下を歩きながら聖奈は思った。
すごくヤバイ気がする…
頭がくらくらするような緊張と恐怖に聖奈は押し潰されそうになりながらも必死に耐えて歩いた。
それにしても、渡貫様・水前寺様なんて…急に態度を変えるのは違和感があり過ぎる。
ちらっと聖奈は看護師の顔を見た。少し緊張しているように見える。
「あの…鞄自分で持ちます…」
気まずい緊張感に耐え切れず、聖奈は看護師に話し掛けた。
「いえ、気になさらないで下さい。私が持っておきますから」
聖奈の提案はあっさり却下され、再び気まずい緊張感が流れた。
鞄…返してもらえないし、八重樫さんはロビーで待たされてるし…
絶体絶命…
そう思った時だった。
「こちらが渡貫様の病室になります。どうぞお入り下さい…」
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