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病院に着くと、少年はすぐに手術室へと搬送されて行った…
その様子を聖奈は静かに見送ってから、傷の手当を受け、迎えを待った。
しばらくしてから、両親の代わりに家政婦が迎えに来てくれたのだが…
家政婦の強い希望で、明日精密検査を受けるため、一日入院することになってしまった…
「独りかぁ…」
一人で使うには、大きすぎるのではないかと思われる病室の一人部屋で、聖奈は呟いた。
「一日ぐらい大部屋でもよかったのに…」
聖奈は一人でいることには慣れているつもりだ。
いつもそうだった、熱を出したときも両親は講演会や仕事で家には居なかったし、今日だって…やはり来る事は叶わなかった。
カチッ…カチッ…と時計の秒針の音が部屋全体に響く…
今は眠れそうになぃ…
仕方なく、聖奈は今日一日の出来事を思い出してみた…
今日は事故を含め、初めて体験した事ばかりだった。
まずは「ブス」…初めてブスと言われた。
この顔に生まれて、今まで称賛の言葉しか聞いた事がなかったので、正直落ち込んでしまった。
次に「ばか女」…まさか成績が良くてもばかと言われる事があるなんて、思ってもみなかった、だからこれもまた聖奈を落ち込ます原因となってしまった。
そして…スカートの中を覗かれた、しかも覗いた相手は溜め息をついたのである!
「なんで溜め息なの…?!」
思わず声に出して言ってしまった…
聖奈の学校ではスカートのしたにスパッツ等を履く事が校則に盛り込まれている。
最近盗撮などが増えた事を理由に作られた、女子校らしい校則であった。
「うーん……」
複雑な心境で今日あった事を整理してみる…
しばらく考えた後に、彼女なりの結論として「もう関わることはないし…あの時泣きそうになったのも、何かの間違いよ…」
いざとなつたら、親に任せればいいか…
そう考え、深い眠りについた。
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