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飲み屋から聞こえる笑い声
道行くサラリーマン
寄り添うカップル
毎日変わらない
遠くで聞こえるサイレンも私は何も感じない
街のネオンに照されてなにを思ったのか私はトールと黒蝶の店の方へと歩き出していた
賑やかな繁華街を歩いていると私の体は電気が走ったようになにかに反応してその音の方まで走り出した
ライブハウス…
その中から何かの音が周りの灰色の街の空気を唯一震動させて
灰色の空気に絵具のように色をつけている…気がした
そのあと私が知ったのは
そこはライヴハウスということ、今はライヴの途中ということ…
私はお金を出してチケットを買いもぎ取ってもらった
地下へと続く階段を一歩づつ降りていく
大きくて重そうなドアを開いてもらうと私は唖然と立ち尽くした
暗い密封された空間に
ホールを半分くらい埋めるお客さん
みんなが笑顔でみんなが楽しそうに見つめる先の
体を震わせるバスドラム
心臓に響くベース
鳥肌のたつギター
耳をつくシャウト
全てが狭い密封空間に響いていた
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