星形の洋菓子と石榴味の星の王子さま

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学校は涙が出るほど嫌い 叫んで発狂するほど大嫌い 楽しいことなんて何もないから… だから学校での私の友達は人を選ばないで心を開いてくれる本だけ 私が学校で一番好きなのは帰る時間を教えてくれる鐘だけ やっと今日が終わった… 私はラバーソールでみんなよりも高いところを見ながら 灰色の町のなかを 灰色の家へ帰った 家に帰るなり着替えてでかけた 今日は隣町でライヴがある 少し大人びたワインレッドのドレスに黒いコルセットを巻いてバスに乗り込む ライヴハウスが近づけば近づくほど胸が高鳴った またあの大きな重いドアを押し開いて中へ入った 痛いぐらいの音が耳に響いて気持ちいい 昨日買ったCDのコピーをしていた彼らはとても輝いていて 少しの高さの違いに私と彼らがいるのに全く違う星の生き物に感じた ライヴが終わって私はお気に入りのロッキンホースを鳴らしてライヴハウスの近くの公園へ行った 公園なんて何時から行ってなかったのか分からなくなるぐらい私は短期間で変わったような気がする きっと変わっていない方がお母さんにはよかったんだ 公園の中央にあるブランコに座って力一杯漕いでみる きっと彼らみたいに キラキラ輝けるって信じたんだと思う
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