憂鬱な鳥籠

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握ったものはカチカチと音を鳴らした 握ったものは銀色に輝く牙を向いた 私はそれで何度も絵を書いた 肌色のキャンパスに銀の芯で赤い線をひく 幾重にも重なった線は一枚の絵を作る… タイトルは 自虐… 蒼い空を久しぶりに見た 今日も無機質で無意味 久しぶりの光に目が眩んだ もうだめだ 全てが灰色… 歩くことも 話すことも 歌うことも 眠ることも 全てが…面倒で 無意味だと思う 鳥はもう飛ばないのだ 赤くそまった翼では
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