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真っ白な天井
暫くの間脳が動かなかった
私は走馬灯をみたのだろうか
夢?何故子供の頃のことを思い出していたのかな
今ごろになって私は泣いていることと左手を握られていることに気付いた
涙なんて久し振り
手を握られることはもっと
何時から人と触れ合っていなかったか
私はゆっくり体を起こした
真っ白で清潔な一つのベットをおいたのみのコジンマリとした病室
私の左手を握り締め包帯の巻かれた手首にそっと右手を添え疲れ果てたのか眠るお母さん
その手が暖かくて
その手が愛しくて
小さい頃より小さく…でも、あの頃と変わらない優しさ
私はこんなに普通なのに、とても素晴らしいことを忘れていた自分が情けなくなった
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