眠りの塔の目覚め、終わらない童話

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其からの私は変わったのだろう いや、変わった訳ではない解き放っただけ。 長すぎた眠りから心が目覚めたのだ 鳥が囀ずる 母の呼ぶ声がする 朝食が並べられて みんなが笑って朝を告げる 鐘が鳴り響いて 走り出す私たち 急いで、はしゃいで でも長く下校する私たち 話すのが楽しい いたずらが楽しい 笑わずにはいられない 夜のビロードが引かれて 重音に包まれて暴れまわる 甲高いシャウト トリッキーなリフ 刻まれ続けるビート 弾け飛ぶ汗と 密室空間に響く 私たちの歌声 全てが充実した 眠りの蕀は取り払われたのだ 新しい私が新しい私の世界を想像していく アポロンよりも熱く ミカエルよりも輝き ガブリエルよりも美しく 私だけの世界 全てを愛するマリアのように生きる 死は生があってこそ生まれる人間の運命 遠回りは出来ても近道は出来ないのだ
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