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「なぁ、跡部て外人さんなん?」
初めて話す奴にこの口調
呼び捨てにするなと、怒りすら覚えた
「…ハーフだ」
コイツなんかと話すのは嫌だったから、なるべく会話にならないように短い応答
玉拾いにも集中したいしな
にも関わらずコイツは…
「へー、海みたいな眼しとるんやな。なんや宝石みたいや」
「そりゃどうも」
「なんや、冷たいな自分。綺麗な顔してるんにもったいないわ」
いちいち癪に触る言い方
激しくコイツが嫌いだと再度実感した
「でも」
でも?
「ほんまに綺麗やな…」
初めて人に誉められた
初めて赤の他人に誉められた
初めて自分自身を誉められた
『跡部』じゃない 俺自身を
「跡部?顔真っ赤や…どないしたん?」
「っせぇ!とっとと玉拾いするぞ!」
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