seventh love

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お父さんから逃がすように東京へ俺を行かせた親戚は、一言だけ呟いた 「…っすまんかった…」 「見て見ぬ振りをして…すまんかった……っ」 罪悪感に苛まれ、歪む親戚の顔が見えてどうしようもないほど嬉しかった 他人同様の扱いではない言葉が どうしようもないほど嬉しかった 「叔父さん…助けてくれてありがとうな?」 欲しかった言葉や愛は もらえなかった 叔父さんや叔母さんはくれたけど お父さん お母さん 俺は貴方たちから欲しかったよ そして俺は 気が付いた 好きなら、大切なら 逃がしてはいけない 捕まえて 閉じ込めて ずっと一緒にいさせればいい かつてお父さんに そうされたように ただ、違うのは 全力で俺は愛すから 例え一方通行な愛でも それは確かに愛なんだ
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