プロローグ

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 ガラスか水晶が割れる様な音がした。  俺の編み出した最高の魔法、それは敵がロスト・フラグメント『レギオス』により増大した敵の魔法をやすやすと打ち破った。  しかし、俺達の『アルファ・レプリカ』も負荷に耐えられずにひび割れ、壊れていた。  そして、俺達は重力を思い出した様に落ちていった。  彼女を見るとすでに意識が無い。  まぁ、あんなに強力な魔法――初めて自分の意思で使って驚いた――をツイン・リード(二重詠唱魔法)をしたのだ。  おそらく彼女の魔力回路はズタズタだろう……  ギリギリ二回、転送魔法が使えそうだ……  まず彼女に使う……そして次は…… 「(あれ? 俺は何をしようとしてたんだ? ここはどこで、何をどういう状況でどうしようとしてたんだ?)」  パニック状態だった。  何がなんだか、自分が誰なのかすら分からなくなった程だ。  それが世界の崩壊だということを知ったのは、ギリギリ救出されてから二日後。時空間移動船のなかで昏睡状態から目覚めてからだった。
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