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賛同世界クサンフィアナ魔法学校
この世界の事を俺達の世界の言葉で簡単に説明するには『並行世界』だそうだ。
信じられない話だが今まで『同一世界の並行世界』を除けば52の世界が見つかり、6の世界が『完全崩壊』したそうだ。
しかし、まだ信じられないだろう。
ならばこの学校が『並行世界』の証明になるだろう。
地球(無接触世界とよばれているそうだ)出身にとって魔法なんて『おとぎ話』だが現に魔法を教える学校があり、俺も地球出身だが魔法を使えるため決して嘘ではないと信じて貰いたい。
そしてここは魔法学校の中でも五指に入る様な名門校らしい。
学校の周囲は自然が豊か(好意的解釈)で最寄りの町まで直線距離で約13キロ程離れている。
割と近いように感じるが、町と学校の中間辺りを横切るように山脈が横たわっており、最短の山越ルートでも山自体が複雑な地形を成しているらしく3倍近い距離が必要になるらしい。
そして、幾つかある山越ルートのほとんどが馬も通れないという急勾配や細い道だという。
人の往来に適した迂回路はまれに盗賊が現れ――私服警官の様に騎士団の精鋭が見張っているとのことで多少安全ではあるが、山越よりも更に遠回りになる。
立地条件の悪さから陸の孤島と揶揄される事もしばしばだそうだ。
生徒達はそんな環境で6年間寮生活をしながら魔法の基礎と応用を学ぶ。
そんな名門校の学長室で学長(女性)と副学長(男性)と面談をしていた
「……キョウスケ・ワタナベさん、あなたの事情はよくわかりました……」
学長は自分の机の上にある俺が持ち込んだ大量の書類に手をかざすとそう切り出した。
学長の手からは並みの魔法使いでは分からない程静かで、しかも精密な魔法が発生していた。
その魔法に注意がいって学長が少し鋭い視線を一瞬したのに気がつかなかった。
「この書類によれば科学世界のあなたが保全隊の活動に貢献したのは間違いないようですね」
学長は書類から手を離し俺を見つめた。
「よって、この書類の要請通り特例として最終学年への編入を認めます」
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