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「――ふぅ」
霧島ミコトは電車の中で大きくため息をついた。
彼女の周りには、彼女が通っている高校の女の子が集まっていた。
彼女達は楽しく喋りながらも自分の事で忙しそうだった。
一人は携帯をずっと扱いながら、掲示板のサイトに自分のプロフを有ること無いこと書き込んでいる。
(そんなに自分の事をミンナに知ってほしいの?けど、あなたはその小さな機械の中にしか自分を表現する場所がないのね)
一人はずっと手鏡を見て化粧や髪型をしつこいようにチェックしていた。
(あなたは現実のミンナに自分をたくさん見られたいのね。けどそれも自分の素ではなく、作った顔でしか他人と向き合えないのね)
「ねぇ、ミッコ。これ見てよー」
正面で携帯を使っていたサヤカが、ミコトに携帯の画面を見せてきた。
画面にはサヤカのページにたくさんの伝言が書き込んであった。
ミコトの眼にその中の一つの書き込みが飛び込んできた。
『…………あなたが殺してほしい人は誰ですか?…………………KIRA』
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