月夜の散歩

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今日も一日が終ろうとしている 何時も通り学校に云って授業を受けて帰って時間を潰すだけ、そんな毎日…              ふと窓の外を見たら 自分の存在意義を確かめるかのように 大きな満月が佇んでいた              (今日は満月か……)              満月には不思議な力があると昔誰かが云っていた              つい魅入ってしまう輝きを放つ満月は不思議なのかもしれない              「おや、未だ起きていたんですか?」              突然の第二者の声に不覚にも驚いてしまった…              振り替えるとそこには 窓の刷子に座る少年              「お前…何しにきたんだよ」 少年はにっこり笑い              「今夜は月が綺麗なので散歩でも如何かと」              「散歩?」              「はい、気分転換には最適かと……」 俺は少し悩んだが行くことにした              「しっかり手…繋いでてくださいよ。 落ちても責任取りませんからね」              しっかり手を握ると 瞬間に来る浮遊感              「では参りましょうか…」              間近で見る月は普段硝子越しで見るのよりも一段と綺麗だった              「ありがとな……」              「今夜は魔力が強いので 影響されてしまいました」              少年やれやれと溜息を零していた              「もう帰りましょう、子供は寝る時間です」              「お前の方が子供だろう」              「僕はどちらかというと夜型なので目はギンギンです」              その後はあまり覚えていない 気が付いたらベットで眠っていた              ただ手には繋いでいた手の温もりが残っていた……                          (また見にいきたいな…)
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