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真面目すぎると苦労するのはお互い同じ……
‐似たもの同士‐
「神城先輩」
突然呼び止められて振り替えるとそこには赤い襟の一年
「……………?」
元久人の名前を覚えるのは苦手だ
一々覚えてなんかない
「生徒会の阿立要です
帯刀先輩に頼まれて吹奏楽部と水泳部の費用集計表を取りにきたんですが…
二人知りませんか……?」
「二見と槌谷なら少し前に何処か行ったきり戻ってきてない」
阿立の表情が少し怒ったのが分かった
「………そうですか
あと出してないの吹奏楽部と水泳部だけなのに」
溜息を零す阿立
分かるかもしれない…その気持ち
「肩に力入りすぎてないか?」
えっ?という表情を浮かべた阿立
「あの二人には俺から云っておく
お前は少し休んだ方がいい」
「お言葉ですが僕は生徒会役員として当然の義務を果たしているつもりです
」
「………そうか」
「「……………」」
「あっれ~?神城に雑用くん?珍しい組み合わせだね」
「や~や~ジュリエット
ロミオほっといて浮気に走ったりか~?」
事の発端張本人登場…
呑気な顔しやがって……
「二見先輩、槌谷先輩、費用集計表はどうしたんですか?」
阿立がスっと前に出た
「あ~あれなら部室かな~
放課後取りにきてヨ雑用くん∨」
「俺は喰っちゃった~
黒ヤギさんたら出さずに食べた~♪」
阿立が軽く青筋を浮かべている
「阿立、ちょっと来い」
俺は阿立の手を引いて廊下を歩いていった
「あら、愛の逃避行?」
「メ~」
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