真夜中の解后

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俺には兄がいる 小さい頃から病弱な……              願いたいことがあった… 叶えたい事があった…              とても……とても……                                      昇天せず地界を彷徨い続ける哀れな幽霊…… …と云えるのだろうか              病弱な兄が心配で… ずっと傍にいた 憑依と云うカタチで……              そんな時アイツに出会った              冷たい風 ほのめく電灯 夜中の学校………              外に出たいと云っていた朋臣 代わりに俺が外に出た そんな時だった…              「大塚………?」 最近朋につるんでいる神城って云う奴に会った              「やぁ、神城どうしたんだい………?」 俺は微笑交じりに言い返した でも神城は………              「お前…大塚じゃないな…?」              嗚呼…やっぱ分かっちゃうんだ              「そう恐い顔するなよ… 朋が外に出たいって云うから」              「本当なんだろうな……」         「嘘なんかついてないよ」              「「……………」」                          「なぁ、神城は知ってる? この時計塔の前で願い事すると叶うって…… 結構前からやってるけどね でも……今日は満月がとても綺麗だ 月には願いを叶えてくれる不思議な力があるって…」              神城は何も云わずに俺の話を聞いていた
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