将来家庭想像

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「わかった、食ってけよ」              「先輩っ!!」 高階は満面の笑みで俺に抱き付いてきた              「おいっ!高階!」              「お礼に片付けもやりま~す」              「さっさと席付けよ!」              「は~い」 上機嫌で高階は椅子に座る              そして二人で 「「いただきます」」                                      ―――――――――‐… 「先輩どうですか?」 高階が不安そうに聞いてくる              「……うまい…………。」 何だか恥ずかしい感じがした 何時も一人きりの食事だったから…              誰かと買い物して食事して、当たり前なのに何だか今は…… 高階の優しさがくすぐったくて嬉しい              「先輩……また作りにきてもいいですか?」              「あぁ………」              その後、食べ終わって片付けをしていると高階がとんでもない事を云った              「何だかこうしてると夫婦みたいじゃないですか?」              ……………。              「っ!!!」 解弁したかったがそれは叶わなかった 高階の指が、俺の口元に当てられて……              「ちょっとした悪戯です 先輩本気にしすぎですよ」              スッと指を離された 「片付けも終ったし俺、帰ります お邪魔しました先輩」              「あっあぁ……」              玄関迄見送ると高階はもう一度お邪魔しましたと云って背を背けた              何だか高階の背中が寂しがっているように感じた…              「高階……」              「はい……?」                          「明日もお前の作った飯食いたいから…その…校門で待ってろ」              「先輩っ!」 高階はまた俺に抱き付いてきた でも今度は優しく、優しく…              こんな未来も悪くないと思った              (明日も一緒に帰ろう)
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