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オレンジ色の夕日が町をほんのりと染める
下校する生徒達を見ながら俺は日誌にも手を付ける
(そろそろ来るかな……)
そんなことを考えていると
「二見」
ほら…聞こえた…
愛しいアナタの声
「神城じゃん、どうしたの?」
「おまえが呼んだんだろ…」
知ってる
神城の呆れた顔が見てみたくて少しいじめた。
「座ったら?アナタの席でしょ」
そういって神城は自分の席に座る
聞こえるのは二人の呼吸音とペンの走る音だけ…
教室の中には俺と神城だけ
放課後だけの秘密の空間
「………っと出来た」
睨めっこしていた日誌から目を離して神城を見ると
彼は夕日に染まる町並みを見ていた
黄昏る横顔
オレンジ色に染まった神城はすごく綺麗だった
「……神城…」
「……あ?」
振り返った瞬間
俺は神城の唇に口付けた
いわゆる不意打ちのキス…
「なっ!!」
あ~あ、顔真っ赤にしちゃって
可愛すぎるんだよアナタ
「放課後じゃないとこんなことできないデショ?」
「だからって…いきなりするかよ」
あらら、俯いちゃった
軽い悪戯のつもりだったのにな~
純情だよねアナタって人は
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