木漏れ日の保健室

2/2

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
             『朋臣君、今日学校来てるの…』              仁志から大塚が学校にきていることを聞いて 俺は直ぐ様保健室へ走った              学校に来たら待ち合わせしようと決めた場所              「大塚っ!!」 大きな音が鳴る位の勢いでドアを開けた              大塚は相当驚いたらしく目を見開いたまま固まっている 暫らくすると状況を把握したように慌て蓋めいた              「あっあぁ君か…… どうしたんだ、そんなに慌てて」              「大塚!お前学校来て大丈夫なのかっ?!」              仁志から大塚が前に倒れたと聞いて俺は心配になった ……体弱いのに無理するタイプだからな……              「家で散々寝て薬も飲んだ。 医者にも視てもらったし心配ない、だから来た」              「……そうか、ならいいんだ」              俺は大塚が座っているベットの横に腰掛けた              「……学校来てくれたんだな」              「神城がいなきゃ来ないさ」 少し照れた頬は白い肌ではすぐ分かる程だった              「ねぇ…膝貸して…」              「え?」 聞くよりも早く大塚は俺の膝に頭を乗せた              いわゆる膝枕だ              「不思議だね…… 君の傍にいると安心するんだ……」              「大塚………」              「名前……呼んで」              子供みたいに大塚は 何回もお願いしてきた              「朋臣………」              「もっと……」              「朋臣……朋臣………」 何回も何回も俺は優しく名前を呼んだ              やがて返事がなくなり 代わりに聞こえてきたのは静かな寝息              髪を撫でてやると擽ったそうに身じろぎした 思わず笑みが零れる……                                      光り輝く木漏れ日が 大塚の眼鏡に反射した              (目が覚めたら一緒に帰ろう……)
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加