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「……あ」
私の足が止まった。
あのメールが届いた男の人、そしてその彼女が、この間と同じベンチに座っている。
そういえば桜が言うには風鈴中の先輩なんだっけ。挨拶しなくちゃ。
「あの…、この間はすいませんでした。風鈴中の出身ですよね?」
私は2人の目の前で、ぺこりと頭を下げた。
「あー、あのときの子。なんか理由があったんでしょ?気にしてないよ。ってか君は風鈴中の子なの?」
男の人は、この間怒った人とは思えないほど気さくな雰囲気だった。
「はい、そうです!ここには、よく来るんですか?」
私もニッコリと笑った。
優しい人でよかったな。
「うーん。俺がこいつに告った場所が、ここだからね。」
男は照れくさそうに言った。
「私、トイレ行ってくるね」
そう言って彼女はトイレがある店に消えていった。
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