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「お姉ちゃん。勉強教えて！」
いつものように、姉の"桜"に勉強を教えてもらいに来た妹の"美羽"
中学３年生になり、高校受験の勉強を始めた桜につられて、美羽も勉強を始めた。
美羽はまだ中学２年生。
でも、今から受験勉強を始めないと間に合わないかもしれないのだ。根本的に馬鹿だから。
美羽は、桜と同じ学校に通っている。
桜のウワサは、よく耳にする。
《可愛いい》
《性格がいい》
《頭がいい》
それに比べて美羽は…
《顔は可愛いい》
《頭が悪い》
《性格は…おもしろい？》
よく、そう言われていた。
取り柄は可愛いだけと。
美羽と桜は本当の姉妹ではないのだ。
幼い頃に両親を交通事故で失い、孤独になった美羽を、桜の両親が引き取ったのだ。詳しくは割愛するが。
だから、美羽と桜の名字は違うのだ。
━━村瀬 美羽━━
━━後藤 桜━━━
しかし、美羽はそれを悲しむことはなかった。
本当の子供のように可愛がってくれる義理の親…
本当の妹以上に可愛がってくれる、義理の姉の桜…
この幸せが、いつまでも続けばいいと思っていた。
いつまでも。
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