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「……はぁ?」
…なに?
夏帆って誰…!?
「……ヤバ………また眠く………………………………スー…スー」
机に顔を伏せて、再び眠ろうとするたっくん…。
「…そーですか、夏帆って子が本命なのね?そうですか!!」
「……うん。そーなんです…」
このたっくんの言葉が、私の怒りの許容範囲を完全に超えた。
「もう知らないから…!!」
私は教室を飛び出し、保健室に向かった。
保健室の扉を勢いよく開けると……
「おー、そんな慌ててどうしたんだ?」
額に冷えピタを貼った拓斗君がいた。
「いや、なんでもないけど。…先生は?」
保健室の先生が見当たらない。
「職員室行った。てか、泣いてんの?」
…………え…?
私は、恐る恐る自分の顔に手を伸ばした。
……濡れていた。
「ち、違うよ…!これは、顔を洗ったから……」
言い訳する私に、拓斗君は鋭い眼差しを向けてきた。
私はベッドに寝転んだ。
学校での私の逃げ道は、ここだけなのかもしれない。
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