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私の頬がたっくんの大きな手に鷲掴みされた。
「美羽に心配かけたくなかったから言わなかったけど、こんな状況になっちゃったからさ……」
それって、どういうこと?
私は黙って、たっくんの話を聞いてみることにした。
「俺がこっちの学校に来てから元カノの夏帆から、連絡が頻繁に来てるんだよね…。」
それって、私を忘れるために、付き合ったって人…?
「携帯も壊れたし、もう連絡は来ないと思ってた。でも、今度は家に電話来たんだ…。」
「だって、たっくんの親だって引っ越ししたし、たっくんだって……」
「俺の親は、夏帆と仲いいんだよね…。」
「……まさか…」
懸念が、一瞬。脳を過った。
「うん、家の番号とか俺の親が教えちゃったんだってさ…。」
ため息を吐き出すようにたっくんが言った。
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