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でも、お姉ちゃんって、長谷川先輩みたいな人がタイプだったっけ…?
本当に、好きなの?
「…美羽、取れたよ?」
「…え?……あ、すごいね」
ゲームセンターに来ていた私とたっくん。
たっくんは人形片手に得意気になっていた。
「ねぇ、たっくん…」
「あれ、呼び方は達也にするんじゃないの?」
「もうやめた。いちいち突っ込まないで。
それよりさ、用事ができたから先に帰るよ?」
「ちょっと待って!」
自動ドアから外に出ようとした私の腕を、たっくんが掴んだ。
「……はい、これやる。」
たっくんは私に、巨大で気持ち悪い蛇の人形を手渡した。
「あ、どうも。」
思わず、頭を下げてしまった。
「明日、駅でね?」
「…うん。ばいばいっ」
私は笑顔で返事をした。
そうだ。明日は、念願の海に行くんだ。
「…あ。それより、お姉ちゃんっ!」
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