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香織は、華子の傍に行き
「最後まで、あなたの事を心配して息を引き取りました」
と香織は言い、泣き崩れている華子の背中を優しく擦った
愛する茂樹の正妻の香織に優しくに擦られて、愛人の華子は罪深い、己の心を憎んだ
「あなた、本当に茂樹の子供を宿してるの?」
と香織は、汚い物を見るような目で華子を見ながら、静かに言った
「はっ❗はいっ❗」
と鼻声で言うと、華子はまた泣き出した
「産むのですか?それとも、堕ろすの?」
と香織は華子に聞いた
「産みたいと、思います
奥様っ‼お願いします
産ませて下さい」
と華子は泣きじゃくりながら、香織に懇願する
「あなた一人で、その子を産んで育てると言うのですね
父親が、居ない子を・・・」
と香織が言うと
「はっ❗はいっ❗
だから、お願いします
あの人の子を、産ませて下さい」
と華子か言うと
「笑わせないで
あなた、これからどうするつもり
妊娠したお陰で、仕事を辞めて、
明日食べる、お金さえ困ってる、あなたが
子供を産んで育てる
馬鹿も、休み休み言いなさいよ」
と香織は華子を叱るように、語気を強めて言うと
華子は、観念したのか押し黙ってしまった
「あらっ、もう、こんな時間
お昼を用意しますから、食べた後で、病院に行って、相談しましょう」
と香織は、立ち上がり、立ち上ち去ろうとすると、華子は立ち上がった
そして仏壇に飾ってある燭台を取ると、蝋燭を抜き、燭台の尖ってる部分を自分の頸動脈に突き立てて
「子供を堕ろせと言うのなら、私も死にます
この子とあの人の下に向います
この子となら、本望です」
と華子は言い終わると、燭台を、「ぎゅっ‼」と、握り締めた
「条件が、あります
一つ、子供が生まれるまで、子供が生まれて、あなたが外で生活出来るまでは、ここに住む事
二つ、あの人の事を忘れて、結婚する事
勿論、その子を連れてね
三つ、末席で良いから、結婚式は、呼んでね」
と香織は振り返らずに言うと
「産んで宜しいのですか?
本当に、産んで宜しいのですか?
ありがとうございます」
と力無く、その場に座り込み、香織に頭を下げた
「明日からは、ここの家政婦として、働いて貰います
丈夫な、子供を産むのですよ
そして、あなたも早く、好い人を見つけるのですよ」
と華子に言い残すと、居間の方にに歩いて行った
華子は、香織の姿が見えなくなるまで、頭を下げていた
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