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香織は玄関を降り、鍵を開けると、宅急便の配達人を中に入れた
するとその配達人は、ミカン箱くらいの大きさの段ボールが二つと大きなスーツケースが一つを玄関に入れ、受け取り書を華子に手渡した
それを一つ一つ、配達控え書と合わせて確認すると、華子は配達人が差し出した荷物受け取り書に捺印し、配達人に手渡した
それを、香織はスーツケースを、華子は段ボールをそれぞれ茂樹の書斎へと運び入れた
運び終わると、香織は書斎の奥にある窓の傍の机に向い、そして椅子を引き、静かに座った
そして、その窓から見える景色を見ながら、静かにに口を開いた
「私が茂樹と出会ったのは、インカレのバスケットボールの試合だった
私は当時、有名伝統大学の○△女子大の新入生
彼は息子達と同じ○○大学の四年生
この試合が敗ければ、即、就職活動となる身だった
私は友達に誘われて、××大学の応援席で、観戦してたの
それは私と彼女は、××大学のバスケットボール部のキャプテンに憧れていたのから
××大学と言えば、当時、バスケットボールじゃ、超有名校
今年、優勝すれば、インカレ五連覇と言う偉業達成すると言う大会の初戦の相手が茂樹が所属していた○○大学のバスケットボール部だったの」
と言うと一息吐き、笑顔溢し、遠くを見つめながら、話し続けた
「当然ように、茂樹達はボロボロに負けたわ
ボロボロに負けて、涙を溢して、泣いていた
そして、奇跡が起きたの
茂樹は、何を思ったのか?
急にベンチにあった、自分のチームのバスケットボールを、相手チームのベンチがあるバスケットボールのゴール向って投げたの
一瞬、ゴールに入るかとそこに居る観衆は皆、思ったの
でも、見当外れ
そのボールは、ゴールを外れ、私の腕の中に吸い込まれように落ちたの
私は、投げ返そうとボールを見ると
"好きだ"
の三文字が、大きく書かれていたの
私の顔が、茹でた蛸のように、真っ赤になり、下を向いてしまい
ボールを投げ返すどころか、その席から立つことすら出来なかったわ
それが、茂樹との馴れ初め」
と香織は話し終わると、
「今度は、華子さん
茂樹との馴れ初めを聞かせて」
と言うと、華子は一枚の写真を財布から取り出すと、香織に見せると
「懐かしい、写真ね
■■温泉に行った時の写真じゃないの
なんでこれを、あなたが・・・
まさか・・・
そうなの、そうなのね」
と香織が言うと、華子は小さく頷いた
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