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「今年の夏は暑すぎる!なんなの、この暑さ?信じられない」
広美は、部屋で一人叫んでいた。彼女が、叫ぶのも無理はない。今の気温は38℃なのだ。
広美は、団扇で思い切り仰ぎながら、悪態をついた。
「あ~つ~い~。アタシの部屋にはなんで、クーラーがないわけ?母さんや父さんの部屋にはあって、こんなにかわいい一人娘の部屋には、クーラーがないの?もー、イライラする~」
そう思って、持っていた団扇を放り上げた。受け取るつもりで手を延ばしていたのに、団扇は広美の頭に落ちてきた。
コンッと、小気味良い音がして、広美の頭に当たり、床に落ちた。
「イタッ」
一言呻いて、広美は下に行って、何か飲むものを飲みに行こうと思って、立ち上がった。
ドアを開けて、右に曲がると階段がある。広美は階段をおりて、リビングに行った。リビングには、母の真希がテレビを見ていた。
「あら、広美、どうしたの恐い顔して」
母は呑気に言った。
「母さん、アタシの部屋にもクーラー取り付けてよ」
母は笑っている。広美は、冷蔵庫を開けて、パックのオレンジジュースを取り出した。コップを食器棚から取り出して、コップにオレンジジュースを注いだ。それを一気に飲み干し、広美は頭を抱えた。
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