日常

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「取り敢えず…頂きます…」 沈んだ表情で飛鳥は食事に手を合わせる。溜め息の原因は誰もが分かっていた。アスカはリモコンを手繰り寄せ、テレビを消すと兄を見て 「…赤字?」 一気に核心に迫ると飛鳥は力なく頷き、暁が補足する。 「今月も赤字になるとかなり厳しくなりますね」 「例えば?」 机の中央の野菜スティックのキュウリを一口囓ってルシエは首を傾げる。 「例えば、アンタの茹で卵が二個から一個になっちゃうの」 アスカが具体的(?)な説明をしながらルシエの皿から茹で卵を一個取り、口に入れる。 「あー!オレの茹で卵ォォ!」 ルシエの悲鳴にアスカは眉を顰め 「うっさいわね、アタシのオムレツ一口あげるわよ」 「一口だけ!?」 二人のやりとりに沈んでいるのが馬鹿らしくなったのか飛鳥もトーストにマーガリンを塗り、囓る。 その時だ。 リリリ…と電話がなりだした。 アスカも暁も、ルシエも勿論飛鳥も動きを止め電話を見つめる。全員の動きが戻ったのは三回目のコールがなった時だった。受話器を取ったのは、その時何も口に含んでいなかった暁。 「はい、こちら雑用事務所です…」
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