馬鹿

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突然ですが、私馬鹿です。 結構馬鹿です。 そのくせプライドが高かったりするので、手に負えません。自分で言うのもなんですが、直りそうもありません。 ま、直す気もあまりないんですが。 そんな馬鹿な私からみても、『おまえは馬鹿か!』 と思った女性について。 むかし同棲してた彼女がいました。 今でいうメタラーだった私達は、外出する時は必ずといっていいほどメタラーな格好で外出していました。 まだ若かったため金銭的に余裕がなかったので、安い服や靴を改造して着てました。 はい、そうです 鎖や鋲をつけたり、刺繍したり、切ったり、貼ったり… 涙ぐましい努力をしていた頃の話です。 ある日いつものように鎖をジャラジャラ付けた革ジャンを着て仕事から帰って来ると、 『見て!見て!』 なんと彼女が足のつけねまである黒の革製ブーツを履いているではありませんか! 『かっこいいじゃん!』 何故か二人で盛り上がって、そのブーツに合う服の話に。 『破れたGパン切って短パンにしよっか?』 そう言うと彼女は、テキパキと短パン製作をはじめました。 待つこと30分、 『どぉ?かっこいい?』 うぉっ! ハッキリいってブッ飛びました。 かっこいいのなんの。 私が喜んでるのが嬉しかったのか、それからも彼女はよくその短パンを履いてました。 ある日彼女がご飯を作っているとき後ろ姿をみてびっくり! 『今日その短パンで買い物行ったん?』 『うん。なに?』 『くいこんで、ハンケツになっとるよ?』 『えぇ?うそぉ?』 私がいうのもなんですが、ハッキリいって足も長くてスタイルもいい彼女のその姿は、あまりにも危険なオーラを発散していたため、 『その格好で一人で外出するのやめんさい。』 と、軽く諫めました。 それから何日かったある日、仕事あがりに外で待ち合わせをすることに。 朝、仕事に出る前、 『待ち合わせの時間まで買い物してていい?』 というので、遅れるなよと一言いって仕事に。 仕事あがって待ち合わせの場所に行くと、彼女はもう先について待ってたのはいいけれど… 『その短パン履いて一人で出るなって言ったろ?』 はい。 見事なまでにハンケツです。しかも綺麗だから癖が悪い。 『あれ?やっぱあがってる? あがんないように歩いたんだよ?』 『馬鹿!』 『…でも、これ好きでしょ?』 …馬鹿はどっちだよ。 そんな女性わたしは大好きです。
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