-アリス-

目覚め

「お兄ちゃん!そんなでっかい荷物持ってどこに行くのっ?」

妹の結花は僕にそう言った。
振り向くとそこには眉をつり上げた結花が僕を睨むように見ている。

「なにって…アリス探しに決まってるじゃないか」
「も-!どうしてそうも堂々と言えるの!?」
「なんで堂々と言ったらいけないんだ?」
「アリス探しなんて意味ないからだよ!!」

結花は僕にそう言った。僕はその言葉に少し腹が立ったが仕方が無い。
結花は僕と１５歳も歳が離れている。
結花にとってアリスなんて、ただの都市伝説でしか無いんだから。