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俺達は近くの雑貨屋に入り、物を物色し始める。
「高槻くん、これなんかどぅかなぁ。」
椎名はウキウキとした笑顔で自らの選んだ品を俺に見せに来る。
全く、人の気も知らないで…
彼女が持ってきたのは、真っ赤なグローブだった。
「…うーん…やっぱ彼女からのプレゼントはもっと違う物がいいと思う。」
「そっかぁ…裕也ボクシングやってるからいいと思ったんだけどなぁ…」
しぶしぶと棚に戻しに行く彼女を見つめながら…
(イケメンな上にボクシングまでやってんのかよ…洒落になんねぇ…)
俺は近くにあったアクセサリーのショーケースを見つけた。
「…椎名さん…、これなんかどう?」
俺が手にとったのは、銀の十字架がついたネックレスだった。
単に俺はこういうタイプが好きだったからとったのだが、これなら手越にも似合うだろうという考えだ。
「…わぁ!いいね!!裕也に似合いそう。ありがとう高槻くん、これにするね!」
あっさりと受け入れられた俺の好み。それは俺に妬みを生んだ。
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