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式は殆ど聞いていなかった。というか、寝ていた。
勉強に疲れたのだろう──などと、勝手に周りの人達は考えてくれるから都合がいい。
「王子、起きてください」
暫くして、耳元で保坂が起こそうとそう囁くのが聞こえたが、まだ眠いから無視しよう。
「早く起きないと、襲いますよ」
───えっ!?襲う?
頭いっちゃったのか?こいつ…
いいや、無視だ無視。
「いいんですね?王子」
それより耳元で喋るのを止めてほしい。
何だかゾクゾクする…‥
そう考えていたらいきなり、耳に何か温かい粘り気のあるものが、感じられ、生暖かい風が体にあたった…
(……………え!??)
何とも言えない感覚に目を開けて横を見れば、
保坂がぼ、僕の耳を舐めっ……‥!!
「‥……な、何の真似ですか、先輩…」
一気に顔が赤くなるのがわかる。
赤くならない方がおかしい。
「何って、言われても感じた通り、そのままさ。」
そう言って微笑む保坂。
いや、笑われても返す言葉が無いんですけど…‥
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