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少し落ち着いてから前を見ると、全校生徒の目がこっちに向いているのが感じられた。
というか、嫌でも目に入った。
(え………)
「まぁ、いいや。
王子、新入生代表の言葉だよ。」
保坂の声でやっと現実に引き戻された僕は、その場で適当に考えた代表の挨拶を言いに、慌ててステージに上がった。
(ほんと、保坂は何を考えてるんだか)
「先程は、大切な式の最中寝てしまい、本当に申し訳ありませんでした。──」
適当に挨拶を済ますと、校長が次にステージにあがり挨拶を始めた。
僕はその間に元の席に戻ったが、保坂がこっちを見て微笑んできたので、無視した。
「ご苦労様、王子」
段々、こいつの事がわからなくなってきた。
中等部にいた頃から、訳わからなかったけど。
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