001 高瀬 翔の受難

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少し落ち着いてから前を見ると、全校生徒の目がこっちに向いているのが感じられた。 というか、嫌でも目に入った。 (え………) 「まぁ、いいや。 王子、新入生代表の言葉だよ。」 保坂の声でやっと現実に引き戻された僕は、その場で適当に考えた代表の挨拶を言いに、慌ててステージに上がった。 (ほんと、保坂は何を考えてるんだか) 「先程は、大切な式の最中寝てしまい、本当に申し訳ありませんでした。──」 適当に挨拶を済ますと、校長が次にステージにあがり挨拶を始めた。 僕はその間に元の席に戻ったが、保坂がこっちを見て微笑んできたので、無視した。 「ご苦労様、王子」 段々、こいつの事がわからなくなってきた。 中等部にいた頃から、訳わからなかったけど。
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