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「おい、小僧共。儂を怒らせるとどうなるか……身を持って教えてやろうではないか」
ゴゴゴゴゴと、地の底から沸き上がるような怒り。
エマはうっすらと笑みを浮かべていたが、その瞳は全く笑っていない。
指の関節をボキボキと鳴らし、倒れている男の頭を踏みつけた状態で手下の野郎共を見下ろす。
「さて…誰から逝くかの?」
((こ、殺されるーっっ?!))
男達は恐怖に震え上がった。
と、その時
―ガシッッ
男を踏みつけていた足の足首に鈍い痛みが走り
ガッシャーーーーンッッッッッッ
次の瞬間、店の窓を突き破りエマの体は外へと投げ飛ばされた。
「…ほう」
エマは空中で回転し、体勢を低くしてズサササササッと滑りながら着地した。
「だっ、大丈夫ですかエマさん!??」
血相を変えてアーリィが駆け寄って来る。瞳は微かに潤み、眉は辛そうに下がっている。
(コヤツ、本当に男か)
薄目に、じとりとアーリィを見やる。女のエマが呆れる程に、心配するアーリィの表情は愛らしかった。
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