序章

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その夜は西川と佐藤とで居酒屋に行った。 俺達はずっと雑談をし、楽しんで酒を飲んだ。 佐藤「へぇ、お前今宮崎に居るんだ。」 西川「あぁ、高千穂って所なんだけど空気も綺麗だし、食事も旨い。俺の店も観光客相手に繁盛してるよ。」 遠藤「ならPKOから帰ったら行かせて貰っていいか?」 西川「もちろん大歓迎ですよ。愛も元気にしてるんで会ってやって下さい。その頃には娘も生まれてると思います。」 西川は子供が生まれてくるのがよっぽど楽しみなのか生き生きした話し方だった。 戦争が終わって、西川は凄く沈んでいた。 何人もの仲間が目の前で死に、何人もの敵を殺した。英雄と呼ばれているが、本人はとても嫌っている。 だが、青井の存在が西川の生きる支えになっていた。 今回自衛隊がPKO活動に投入される際に訓練を引き受けたのは、1人でも多くの命を救いたいからと言っていた。 遠藤「お前は俺達が出発の頃には除隊か。早く帰って青井に元気な顔見せてやれよ。」
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