アオイ

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興味を惹かれたので、いつもより少しだけ速度を緩めて、そのベンチのある道を歩き出す。 少しずつその人の姿がはっきり見えてきた。 それは、どこか高貴な雰囲気が漂う女性。顔までは分からないが、空を見つめていることは分かる。胸まである真っ黒な髪。上半身には七分袖の白いブラウス。レースで装飾をあしらった黒いスカート。 女性は近づいている僕をちらりと見ると、また空へ視線を戻した。 「あの」 僕は声を掛けていた。
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