虚しい日々・・・

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「ごめん。」 人気のない校庭裏でそう呟いた男子生徒。 季節はだんだん暖かくなり、春を迎えようとしているある日の放課後。 目の前の知らない女子生徒は、顔を真っ赤にして目には大粒の涙を浮かべながら去っていった。 「はぁ・・・。」 ただ一人残され重い溜め息を吐くのは、相澤大地(あいざわだいち)17才、高校2年生。 もうすぐ3年生の先輩たちは卒業ということで、最近こういった事が多かった。 大地は最近よく告白される。 今年に入ってもうすぐ1ヶ月半になるのだが、高校生活最後のバレンタインが近いせいか先輩女子たちに告白されたり、昔の恋愛漫画でありがちな下駄箱にラブレターが入ってたり。 今月で何人目だろうか? 本人は気付いていないが、この学園ではどちらかというと大地はモテる部類だった。 とくに年上の先輩から・・・。 だけど、べつにモテたところで誰とも付き合う気なんて大地にはなかった。 どんなに美人が相手だろうと、今の大地には相手の気持ちに応えることはできないだろう。
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