第一話『弔うべきは我が不幸』

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学校が終わり、校門に誠二を待つ茜の姿があった。 「遅いですね……誠二さん」 実はかれこれ三十分は校門の前で、待っているのだが誠二が出てくる気配がない。 茜はもう少し待ってみる事にした。 「しかし、今日は一緒に帰ると約束をしたのに……これってどうなんでしょうね、ミト吉」 茜は虚空を見つめて思い出す。 (あっ、ミト吉はいないんだ……) 肩の上が寂しく感じ、ソッと手を当てる。 ミトが居るのが当たり前だったので、茜は居ない事に違和感を覚えた。 「おや?其処に居るのは茜君じゃないか」 茜が振り返ると其処に、清十郎が立っていた。 「あっ、悪友さん」 「おいおい……そんな呼び方しないでくれよ。所で何してるんだい?」 「誠二さんを待っているんですが……」 「あれ?親友なら授業が終わると直ぐに帰ったが……」 清十郎の言葉に茜の胸がうずく、何かふわふわの物がトゲとなり胸を刺したように痛い。 「親友め……茜君には言って無かったのか?……ん、茜君?」 「悪友さん、どうもご親切に……」 「あ、ああ……」 茜は清十郎に一度、会釈して家路についた。 その時、清十郎は茜を見て固まっていた。 (ヤル気だね……茜君!?)
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