第一話『弔うべきは我が不幸』

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ではラブラブ生活について説明しよう。 ラブラブ生活とはミトと茜が、誠二と出会う前の事を指す。 簡単に言うなれば、誠二が居なくなってまた、ラブラブ生活に戻りたい……というミトの願望である。 「つまり、茜ちゃんはラブラブ生活とは……思ってなかった?」 誠二がミトにそう聞くと、ミトは顔を背けて咳き込む。 「……やっぱりか」 「何じゃ!!文句あんのか!!」 「ええい!!さっきから五月蝿いです!!立場分かってるんですか!!」 前の方で笑っていた志都美が、俺達の下に近寄り仁王立ちしていた。 志都美は髪を両側で縛り、服装も赤で統一している。 「所で志都美」 「何です?」 「茜ちゃんは来るのか?」 「大丈夫です。果たし状を送りましたから」 そう言って懐から果たし状と書かれた、封筒を取り出した。 「……出してないよね」 「これは複製です!!その証拠に……ほらっ!!」 志都美が指差す方向に、茜が立っていた。 「姉御!!」 「よく来たわね、茜」 「志都美……果たし状は受け取った」 茜は手にしていた果たし状を握り潰して、背負っていたランドセルを下に下ろした。 「なあ、ミト……」 「何じゃ誠二!!」 「お互い頑張って生き残ろう!!」
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